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日銀、モメンタム損なわれれば「躊躇なく追加緩和」


日本銀行は30日の金融政策決定会合で、長短金利操作付き量的・質的緩和の枠組みによる政策運営方針の維持を7対2の賛成多数で決めた。政策金利のフォワードガイダンス(指針)も据え置いたが、発表文で、物価目標に向けたモメンタムが損なわれる恐れが高まる場合は「ちゅうちょなく追加的な金融緩和措置を講じる」との文言を新たに追加した。

  片岡剛士審議委員は「短期政策金利を引き下げることで金融緩和を強化することが望ましい」としてマイナス金利の深掘りを主張。長期金利の変動幅容認は曖昧過ぎると主張した原田泰審議委員とともに議長案に反対した。片岡委員は従来は具体的緩和策に言及していなかった。

  四半期に一度の経済・物価情勢の展望(展望リポート)では、消費者物価指数(除く生鮮食品、コアCPI)の前年度比見通しを19年度が1.1%上昇から1.0%上昇、20年度は1.4%から1.3%に下方修正。実質国内総生産(GDP)成長率の見通しも、19年度が0.8%から0.7%、21年度は1.2%から1.1%に引き下げた。

  その上で、経済・物価とも「下振れリスクの方が大きい」と評価。リスク要因として「特に保護主義的な動きによる影響の不確実性が高まっている」と指摘した。

  長期金利がゼロ%程度で推移するよう国債買い入れを行い、ある程度の金利変動を許容する方針と、マイナス0.1%の短期政策金利を維持。指数連動型上場投資信託(ETF)と不動産投資信託(J-REIT)の買い入れ方針にも変更はなかった。


日銀

第一生命経済研究所の新家義貴主席エコノミストは電話取材に対し、「日銀としては残る数少ない球をあえて今打つ必要はないと判断した」と指摘。追加緩和については、経済、物価がちょっと下振れくらいでは発動しないとしながらも、特に為替が急激に円高になるようなら、追い込まれてやることになると述べた。

  31日の米連邦公開市場委員会(FOMC)では約10年ぶりの利下げが確実視されている。欧州中央銀行(ECB)は25日の政策委員会後、少なくとも20年上期中は金利が現行「またはそれ以下」の水準にとどまると表明。中銀預金金利を9月に現行のマイナス0.4%から引き下げることに含みを持たせた。

こうした中、日銀が4月会合で「少なくとも2020年春ごろまで現在の極めて低い長短金利の水準を維持する」と明確化したばかりのフォワードガイダンスを今会合で再延長するとの見方が、ブルームバーグのエコノミスト調査では30%だった。